情事のあとの穏やかなスキンシップと取り留めのない会話。
そんな、ある意味他とは異なる幸せ。
ふと会話が途切れる。
肌に感じる体温が少しばかり上昇する。
どうやら寝てしまったらしい。
普段から無理し気味な上、あれだけ激しければそうもなるだろう。
「彼女」の鼓動が聞こえる。
穏やかに、一定のリズムを刻んでいる。
「時が止められたらいいのに…」
1人取り残されたかのような世界でいつもいつも呟いてしまう言葉。
「彼女」が聞いていたらきっと、
それは私の専売特許だ
と怒るであろう言葉。
止めたからといってどうすることもできない。
ただ、決まっているであろう鼓動の回数を独りで消費してほしくないと思うが故の、
何の生産性のない思考である。
「彼女」がつとめを果たし終える最期の時まで時間はある。
もしかしたら考えを改めるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら今日も
「彼女」の温もりに包まれながら夢の世界へと旅立つ。
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