「ああ、七夕ね」
機織りをしていたアリスにそう声を掛ける咲夜。
「七夕?ああ、あのいちゃこらし過ぎて仕事しなくなったカップルの話?」
それがどうかしたのかしら?と手を止めずに尋ね返すアリス。
「…そう言うところアリスって辛辣よねぇ」
ロマンがないわと溜息をつきながら言う。
「星に関してロマンを語り合いたいなら近所の白黒魔女のところにでも行きなさい」
邪魔しないでちょうだいと言わんばかりの口調である。
「そもそも何しに来たのよ」
断りもなく入ってきてから…とアリスの小言は続く。
「ん?一年に一度しか会えなくなったらアリスはどう反応してくれるかしらと思ってね」
アリスが手を止め、見た咲夜の表情はいつものそれではなかった。
「……バカね」
抱きしめ、唇を塞ぐ。
「魔女は欲深いのよ?離すわけないじゃない―」
「ところでなんで機織りを?」
「そもそも七夕は機織りや裁縫の上達を願う行事でもあるからね」
「そんなことしなくとも十分上手だと思うけれど?」
「願掛けもまた努力のうちよ」
pixivに上げなかったのは時間が合わなかったためです。
うん、仕方ないよね。めーさくが幸せな結婚式を挙げないといけなかったんだもん。
で、この追記機能を使えるようになったため解説を。
アリスさんの言っている行事は『乞巧奠(きこうでん)』という中国の行事のことです。
機織りや裁縫だけでなく芸事や書道の上達も願ったのだとか。
咲夜さんは夢を見たのかはたまた何か考え過ぎたのか…。
因みにしょっぱなで「七夕ね」と言ったのは乞巧奠(きこうでん)を知っていたからではなく、
機織り機を見て連想しただけです。
タイトルは七夕行事を示すだけでなく、不安になった咲夜さんがアリスさんに気持ちを確かめる行事も含まれてます。
こういう二重三重に意味のあるタイトルをついついつけてますがどれだけ伝わってるんでしょうか…(笑)
欲深いのは魔女だけじゃなくて悪魔の狗もだからきっとこの後いろいろと…
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